愛知医科大学医学部
外国語准教授
情報処理センター
研究開発室長
山森孝彦先生
高校時代にアメリカに留学。名古屋大学では言語心理学、帰国子女教育を研究し、卒業後は高校教員を経て愛知医科大学へ。医学生たちに「真の英語力」を効率よく習得させるため、日々尽力なさっています。
1年生では、週2回という限られた時間ですが、様々なスタイルで色々な教材やトピックにあたるようにしています。「英語1」ではネイティブスピーカーと共に、日常生活と診療場面における会話練習、プレゼンテーションの基礎練習を行っています。また、発音と語の成り立ちに留意した医療語彙学習と、患者向けに書かれた英文や動画を使って読解とリスニングの訓練も行っています。「英語2」ではイギリスの初学者用解剖学図説を使って読解と語彙増強の訓練を行い、医療倫理に関する英語を通して文献読解力とコミュニケーション能力の向上を図っています。
2年生の「英語3」では、インターネット上の最新医療記事、論文要約、動画などを用いて、読解とリスニングの訓練を行います。必要な情報を短時間で探すために速読は必要ですが、それだけを重視すると、文法構造を考えずに雰囲気で意味をとろうとする学生も出てきます。ですから構文を解析しながら正確に読み取る訓練もしています。医療では厳密に意味をとらないと投与する薬の量も変わってしまいますので精読は重要です。
クラブといっても部活動のことではありません(笑)。授業科目「ジャーナルクラブ」とは抄読会のことを意味します。基礎医学・臨床医学の教員スタッフの全学的な協力を得て、グループで英語の論文を読み進めるチュートリアル教育と、マルチメディア教室でリスニングや医療語彙の訓練を行うe-learningの授業を隔週で行っています。来年度のカリキュラムからは、3年生でも医学英語の学習が続けられるように「ジャーナルクラブ2」という授業を新設します。
全米トップレベルのPBL教育(Problem Based Learning:問題解決型授業)を行っている南イリノイ大学医学部への短期留学制度があります。毎年選抜試験で選ばれた合計10名ほどの学生が、3週間のコースでPBL授業(3・4年生)と、2ヶ月間の病院実習(5年生)を現地の米国人学生たちと一緒に受けることができます。病院実習では実際に外来へ出て患者さんに問診したりもするんですよ。
マルチメディア教室の機器とソフトウエアの入れ替え時期に対訳君を導入しました。紙辞書、電子辞書に続く第3の辞書と言われる対訳君を使えば、英文中の単語をクリック1つで、複数の辞書の意味と用例を検索できますから、自分の頭で文法構造を考えながら、その文章に一番あった単語の意味を的確に選んでいくことができます。
「ジャーナルクラブ」の論文読解の最初の授業時間に、マルチメディア教室で、対訳君の使い方の実習を行っています。その後は、4週間ごとに課題論文を読む宿題が出ますので、学生たちは授業外で英語論文を読む際に利用することができます。
本来スタンドアローンで使う対訳君を、一斉授業でも使っているのですが、これがネットワーク対応になれば、授業はさらにやりやすくなると思います。また、英文を読みながらクリックしていくだけで自分のオリジナル単語帳を作れる機能や、発音も聞ける機能がついたらさぞかし便利でしょうね。次回のバージョンアップに期待しています。
愛知医科大学での「対訳君」を使った授業直後の様子です。この日は初めて「対訳君」を使い、英語の論文を読む練習をしました。
インタビューに先立ち、一斉授業で初めて「対訳君」の使い方をご説明されるということで、特別に許可をいただいてMCLのスタッフもサポートに入らせていただきました。
私たちも、約100名に向けて対訳君の使い方を説明するという授業に参加するのは初めての経験でした。導入に当たっては学生さんにどれ位「対訳君」を使いこなして頂けるかを心配する向きもあったのですが、実際には使い方がわからないという声も出ず、授業もスムーズに進みました。学生さんからの感想を山森先生にお尋ねしたところ、
といった好意的な意見が多く占めました。対訳君がこれからも皆様のお役に立ち続けることを願っています。
プロの医学翻訳者のアイデアを基に開発された「対訳君」は、医学英語教育の強い見方でもあります。